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2023/04/18 18:16

インドの手作業について

ブロックプリント(手彫り木版プリント)|バグループリント

ラジャスタン州(インド)では約500年前から、豊かな自然色を使った伝統的なブロックプリントの技法が、生地織物に対して施されてきました。ブロックプリントは、チパ族というコミュニティによってラジャスタン(ジャイプール地域)に伝えられました。このコミュニティはもともとバグルーという村で生活しており、現在では植物染料やブロックプリントで有名な村です。このようなブロックプリントの技術は、家族やコミュニティの中で何世代にもわたって受け継がれ、ここ数十年の間にジャイプールの南に位置するサンガナーなど、他の地域にも広がっています。


植物由来の染料を使うバグルー式のブロックプリントでは、染料のレシピが各家庭で開発され、代々受け継がれています。生地の色味は、植物の品質や水、あるいは染色技師の技術や知識によって左右されます。サンガナーで行われているような最近のブロックプリントでは、AZOフリーの顔料染料を使って色を調合しています。



Process 01.

ブロックカービング(木版彫刻)


プリントは、紙に描かれたデザインをシーシャム材のブロックに彫ることから始まります。デザインは、約18~25cmのブロックに手作業で丁寧に彫り込まれます。各ブロックの用途は、その同じデザインを繰り返しプリントすることであり、生地の上に並べてスタンプされます。違う色を使う場合は、それぞれ別のブロックを彫ることになります。輪郭線用のブロックは「レク」と呼ばれ、最も複雑なデザインで、通常最初にスタンプされます。レクは、花格子タイプのデザインに使われることが一般的です。次に、「ダッタ」と呼ばれる塗りつぶし用のブロックや、色調によっては「グッド」と呼ばれる下地色のブロックが使用されます。ブロックカービングは、それ自体が芸術であり、熟練するのに何年もの修行が必要です。またすべて手作業で行われます。


Process 02.

カラーミキシング(染料の用意)


ひとたびブロックを彫り終えたら、染色技師がプリントに使う染料を用意します。木製のトレイに染料を流し込み、ブロックを染料に付け、生地にスタンプすることを繰り返し、生地の柄を写し出していきます。写真の染料は、サンガナープリントで使用されるAZOフリーの環境に配慮した合成染料です。


Process 03.

印刷工程


色柄は一色ずつ布にスタンプされますが、一色ずつ布に繰り返しスタンプしていくため、技術と時間が必要となります。手仕事ならではのわずかな凹凸の違いが、ブロックプリントの芸術性を高めています。結果として、この生地から作られる服は、一点一点が異なる見た目を持ち、時代を超えた美しさを持つことになります。

印刷技師は、ブロックの左端に刻まれた「ガイド」を目印に、1つ1つのブロックを慎重に揃えてプリントしていきます。技師は、プリントの度にデザインが同一の重なりを生むように配慮しなければなりませんが、手作業ならではのわずかなプリントのズレや重なりが生じます。しかしこれらは、ブロックプリントの象徴的な見た目でもあり、手作業の美しさを思い出させるものでもあります。ブロックプリントの伝統が残る村では、印刷技師がブロックを叩いてスタンプするときの「トックトック」というリズミカルな音が印象的です。この魅力的な音は村に響き渡り、職人仕事の大切さを思い出させてくれます。



サンガナー・ブロックプリント


サンガネリとは、ラジャスタン州ジャイプールの南部にあるサンガナーという村で生まれたブロックプリント技法の一種です。このプリント技法には5世紀近い歴史があり、今日まで織物職人の世界では重要な位置を占めています。サンガナーの他にも、バグルー、アコラ、バルマー、ジョードプルなど、ブロックプリントで有名な村があります。繊細な模様や線、鮮やかな色彩のデザインが、ブロックプリント技法の決定的な特徴です。


発祥と歴史


サンガネリ印刷は、16世紀から17世紀にかけて発展した印刷技術です。ムガール帝国とマラーター帝国の戦争が続いたため、職人たちはグジャラート州からラジャスタン州に移住しました。最終的に、職人たちはサンガナーにたどり着き、以来、この技法は繁栄してきました。東インド会社の主要な輸出品目のひとつとなり、そのトレードマークとなるものは、デザインを印刷するための”オリジナル染料”でした。この染料は、やがてヨーロッパ文化の中でも重要な地位を築くようになりました。